建て主さんは定年を迎えるにあたり、故郷仙台に喫茶店併用住宅を建て、第二の人生を送りたいと考えていらっしゃいました。
建て主さんは当初、古民家移築を考えましたが、建物が大きすぎて河川法に触れる為、断念せざるを得なかったとのこと。希望は「店舗」として見栄えし、かつ「住宅」として住みやすく、周辺の環境にも溶け込んだ落ち着きのある外観、というものでした。
敷地は東西に長い変形地で約280坪。北に、6m道路が接道し、南に名取川が流れています。川の対岸は市街化調整区域で、手付かずの自然を堪能できます。ここに川を借景とした店舗を計画し、住宅部も川の眺望を重視したものにしました。
予算を店舗に重点配分したいという希望から、屋根形状を変えることでコストの工夫をしました。店舗部分はアプローチの重要部である為、印象的な表情を持つ切妻屋根とし、住宅部分は片流れ屋根とすることでコストダウンを図り、メリハリを付けました。
準防火地域の建物の為、防火構造認定の天然木の外装材を採用し、店舗部分の内装は小舞下地の伝統的な土壁にしました。小舞下地は真壁竹小舞と大壁竹小舞を採用し、土壁の土は県内産を使用しました。店舗部収納家具の扉には銅板を貼りましたが、素地では光沢が強いので表面を腐蝕させています。
所在地 | 宮城県仙台市 |
構造・面積 | 木造2階建 186.59㎡ |
施工 | 建て主さん直営によるCM分離発注 |