新築、リフォーム、家の事は何でも頼める町医者の様な建築家を目指しています
「どんな家に住みたいか」では無く、
「どんな暮らしがしたいか」が一番大事だと考えています。
「どんな家に住みたいか」というのは、断熱が優れた家、自然素材の家、収納の多い家、使い勝手や収納などの機能に関わる部分です。このような面のご要望を叶えていくのは建築家として当然の事と思います。
「どんな暮らしがしたいか」というのは、皆さんの持っている夢や生きがい、日々の生活等全てを含む日常生活の事です。この日常生活をお伺いして、「家」という形にしていくために、色々お話をお伺いさせていただきます。
色々お話をお伺いするというのは、例えばこのような感じです。
ほんのささやかに見える日常のこと、例えばいつ買い物に行って、何回洗濯をして、晩酌はするのかしないのか、趣味は何か?こんな日々の事の方が大事だったりします。
私がこんなことを聞くと驚く方もいらっしゃいますが、とても大切なことだと思います。日々の暮らしが快適になる、というのはこのような一見細かな事の積み重ねだと思うからです。なぜなら住まいはライフスタイルを映し出す鏡のようなものだからです。
ご家族の皆様の価値観、設計する私たちの価値観、みんなを合わせていく事が満足できる家を作るポイントだと考えています。
家族や普段の暮らしの中での問題点や大切にしたい部分を明らかにしていくのが最初の作業です。出来るだけ、価値観のずれを少なくしたい。
せっかくの機会ですから、家族としての夢を形にするためには、どんどんわがままになってほしい。わがままになっているうちに、自分たちにとって本当に必要なのか、そうでないのか、という事も整理できてきます。
なんでも自由に、ご意見を言って下さい。それを形にするのが、我々プロの仕事だと思っています。
最近、デザインにこだわる人が多くなってきているのを感じます。
私たちが考えるデザインというのは、テレビドラマで出てくる「デザイナー」が、スケッチだけささっと描いたりするように作るものではありません。(笑)
あくまでも、そこにお住まいになる方の夢、そして家を建てる土地という素材の中から、一番ベストなものを探していく過程で出来ていくものだと考えております。
例えば、私の設計実例に、磐井川の家、という住宅があります。この家の外観は、左の写真のように、長方形の金属の箱に木の壁が斜めに貫通しているような形になっています。
一見、突飛なかたちに映りますが、この外見には敷地の形状から由来するものがありました。
この家の南側は隣地が鋭角に食い込むような形になっていて、南側は今現在は空き地ですが、将来、何かが建てられたり美観を損ねるようなものが置かれたりする可能性が十分ありました。
その為、南側に大きな開口を設けることは得策ではないと考え、南東側に内外に貫通する壁を造り斜めに振ることで南東側に強烈な指向性をもたせているのです。決して奇をてらったりして出来たものではないです。
デザインとは、華美に飾り立てたり、小手先であしらってみたりするものではなく、明確な理由があってはじめて形づくられるものだと私は思っています。
そこに住まう家族が幸せな生活を送れるかどうかを考えながら、デザイン、設計を行います。
画家が自分の絵の具で自分のキャンバスに自由に絵を描くのと違い、建築をつくるということは、あくまでも建て主さんの敷地に建て主さんが建てるものですから、 お仕着せの設計はするべきではないと考えます。
私たちが建築をつくる上で最も大切にしていることは、建て主さんとのコミュニケーションです。
たとえば、家をつくる場合、ひとりひとり顔が違うように、家族の数、生活様式、将来の夢、敷地、方位、景色等、そこに暮らす家族のあらゆる情報を得る必要があるからです。
プランは必ず数案提出します。
たった一案だけで価値観のズレを埋めることはできないと考えるからです。
建て主さんの価値観を共有できた時から、その夢をかたちにするための本格的な作業が始ります。
また、敷地を見ないで設計をするのは、診察なしで手術をするようなものです。
私たちは、必ず敷地に足を運び、様々な情報を得てからプランに反映させます。
無料相談から始って、竣工が実現したお客様、また諸事情により実現しなかったお客様も、一期一会と受け止め、ビジネスライクではない、人間としてのお付き合いを続けさせていただくことをモットーにしています。